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発達障害と喪の作業


ちょっと最近の話題になっていることから、ずっと気になっていることをお話しようと思います。

「喪の作業」という言葉は聞いたことあるでしょうか?

「モーニングワーク」「グリーフワーク」ということもあります。

前に紹介した本「子どものトラウマと悲嘆の治療」にも、トラウマと【悲嘆】の具体的な治療について書かれてあります。

誰か大切な人をなくしてしまった時、人はときどきうまく受け入れることができないことがあります。いえ、どんな人も動揺し、悲しみ、時に腹を立てます。なくなった方が自分にとって大きな存在であるほど、受け入れがたく苦しい想いをするものです。また突然になくしてしまったのか、長い闘病の末なのか、病気なのか、事故なのか、それら状況によっても感情や、想い、混乱の度合いは変わってきます。

受け入れがたい悲しみや苦しみも段階をおいながら、少しずつ現実のなくしてしまったという事実と、それでも自分の中で故人は存在しうること、故人に対する感情の発見など内面とバランスを取りながら、前に進むことができます。それらを「喪の作業」といいます。

日本の葬儀は自然とこの喪の作業に適してして、初七日、四十九日、一年忌、三年忌と明確な区切りで法事があります。故人を知る人達が集まり、食事をとり、思い出話します。先立たれた人は一人では乗り越えられない方もいますから、これらの法事は周囲とのつながりを持ち、助けられる機会になりうると思います。

では、子どもの場合はどうでしょう。子どもたちは「死」というものをどのように理解して、受け入れるのでしょうか。特に大切な人の存在を内面化することが難しい発達特性のある子たちは、死を理解し、その経験をどうやって乗り越えていくのでしょうか。

最近話題になっていること。少年犯罪について今回のことだけではなく、「幼少期に強い愛着を持っていた人をなくす経験」を持つ子たちがいたように思います。

子どもにとって愛着を持つ人をなくすことはとても大変なことです。しかし、もしかしたら発達特性の持つ子はまた違う面でのさらなる困難さがあるのではないでしょうか。

何かの「被害に遭う」などがあると、こころのケアとすぐに思い浮かびますが、家族がなくなったという時、積極的にこころケアとかあまり言われません。「時間が解決してくれる」と思いがちです。けれども、私は積極的にサポートしたほうがいい子もいると思います。少しでも心配がある時はどうぞお気軽に相談をしてみてください。


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