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子育てコラム「ごっこ遊び」


カウンセラー佐々木です。前回少し触れた「ごっこ遊び」について、子育ての中で発見したことと絡めてお話ししたいと思います。

我が子(7歳男児)の興味は7年の間で多岐にわたり、相当マニアックな世界へも入り込みましたが、その時のブームの世界でごっこ遊びをするのが何よりお気に入り。

現在はまっている「レゴ・スターウォーズ」のミニフィグ(人形のレゴブロック)を使って、スターウォーズのストーリーを再現したり、もしくは全然違うストーリーを考えたり。自分一人でセリフを言って遊んでいることもありますが、私や夫が遊びに付き合うこともしばしば。観察しながら遊ぶ冷静な私と違って、とことん子どもの世界に付き合う夫との遊びは、彼の週末の楽しみとなっています。

子どもと同じ目線で遊ぶのは、みなさんご承知の通り、なかなか大変なものがあります(笑)。しかし、ごっこ遊びで子どもの世界を共有できたことには大きなメリットがありました。それは、「共有できた世界は、日常の中に生かすことができる」ということです。

子どもがおもちゃを片付けない、子どもがおもちゃにすぐ飽きて次をほしがる・・・そんな時、私はおもちゃになりきって、こんなセリフを言います。

「◯◯ちゃん、お願い!僕をおもちゃ箱にしまって!自分のベッドで寝たいよう〜」

「◯◯ちゃん、僕のこともう飽きちゃったの?僕は◯◯ちゃんのこと大好きだよ、僕のこと忘れないで〜」

これは我が子にはとても効果がありました。ふだんごっこ遊びで感情移入しているおもちゃにこんな風に言われたら「あ!ごめんごめん!」と、すぐにお片づけしたり、大事にしようとします。「大事にするね」と優しく語りかけているところを何度も目撃しています。おもちゃのセリフを言う時は、ふだんの自分の声とはかけ離れた甲高い声を出して、「ママが言っているのではない」感じを演出するようにしています(笑)。それでも、1歳になる前からぬいぐるみなどを使ってごっこ遊びをたくさんしてきた我が子は、「ママが言ってるんだけど、そうじゃない世界」にすぐ入り込むことができます。(何年もそうした世界を共有してきた私たちだからこそできることなのかもしれませんが。)

もちろん、「片付けなさい!」「新しいものをすぐ欲しがらないの!」と注意することもありましたが、あまりピンときていないのがありありとわかるので、彼の理解できる世界を再現することで伝えてみたら成功でした。

このように、子どもと世界を共有し、共通の言語を持つことで、日常がスムーズになることがありますが、ごっこ遊びのメリットはそれだけではありません。

「自分ではない何か」になりきってごっこ遊びをすることは、想定した結果に向けて物事を取り計らってゆく「実行機能」を育てます。そして、脳の発達を促し、創造性を育み、問題解決能力を高めます。

プレイセラピーにおいても、ごっこ遊びを用いて現実に起こる問題を対処してゆく力を育てることができます。治療者が子どもの世界に寄り添い、共感し合ったり問題解決に向かって協力する中で、必要なスキルが身についてゆくことでしょう。

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