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「臨床心理士としての心構え」


 ブログをご覧の皆様、こんにちは。カウンセラーの林です。オリンピックで盛り上がりを見せている今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

オリンピックに出場されている選手の皆様のインタビューを見ていると、失敗すれば自分の責任、成功すれば支援者をはじめとする他者のおかげというような考えを持っておられる方が多いように

感じます。

このような考え方は、私たち臨床心理士もあって然るべきと常々、肝に銘じています。私がこのような考えを知るきっかけは、ある研修会で日本臨床心理士会前会長の村瀬嘉代子先生のお話からです。聞いた後、しばらくはそのような考え方では、うつっぽくなってしまうかもしれない、厳しいなぁと思ったのですが、臨床心理士として、心の専門家としてやっていくためには、それくらい厳しい覚悟が必要なのだと理解するに至りました。相談に来られた方や学校で関わっている子どもたちが、良い方向に向かっていれば、その方ご自身やご家族、先生方等、周囲の支援者の努力によるものと考え、うまく行っていない時は、私自身に落ち度はないか、もっと出来る事があるのではないかと振り返り、反省するようにしています。時には、意識化できずに身体症状としての表れを通して、振り返るべきことに気づく場合もあります。私たち心理士は相談者に目を向けるとともに、私たち自身の心身の状態にも目を向ける必要があり、心と体から発せられるサインを見逃さないようにしています。

来談者や子どもたちには、時には過去を振り返り、反省を促すこともありますが、心が弱っている大人の方や子どもたちには、反省を促すよりも、これから先、どうしたいか、どうなりたいか、未来に目を向けて一緒に考えて行く方が有効なように感じています。このような考え方は、目白大学の黒沢幸子先生の研修会で学び、得るものが多かったように思います。人によっては、未来に目を向けることがしんどい場合もありますが、そのような方でも主治医の先生のGOサインがあれば、カウンセリングは可能です。その方の強みを一緒に探し、少しずつ良い方向に向かうお手伝いが出来ればと思っています。

先ほど、心と体のサインを見逃さないという話を書きましたが、相談者、特に子どもさんの場合は、心理的な変化の時期に発熱する場合があるようです。もちろん、まずは体の治療が優先ですが、治療が終わった後、心理的にも成長しているということがあるようです。子どもたちは、言葉で十分に表現できないうちは、遊びや身体症状という形で表現することが多いため、プレイセラピーを通して遊びを解釈したり、身体症状を通してSOSのサインや好転の兆しを見出すことが大切なように思います。したがって、お子さんの場合は、保護者の方にも来談して頂き、お家での様子や学校での様子を伺いながら、その子にとって一番良い選択をしていくことになります。

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